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読むことを学ぶ、終に

イギリスで学ぶ大学院生の洋書多読日記/英語学習日記

Looking for Alibrandi (by Melina Marchetta, 1992)

  • Melina Marchetta, 1992, Looking for Alibrandi, Penguin Books. (=2013, 神戸万知訳『アリブランディを探して』岩波書店)

感想

Josephineには父親がいない。Josephineの母親が妊娠してすぐに、彼女の父親に当たる人物は家族ごと引っ越してしまう。父親がわからない子供として育ったJosephineは保守的なイタリア・シチリア島系移民コミュニティの中でも浮いていて、だからといって移民第三世代のJosephineはオーストラリア人として100%受け入れてもらえるわけでもない。成績優秀で奨学金をもらって教育レベルの高いお金持ち高校にはいっても、出身階層の違いからやはりどこか浮いてしまう。イタリアなまりの不正確な英語を話し、オーストラリアでも自分たちの文化を継承しようとする誇り高きシチリア人であるおばあさんとは特に仲が悪い。

家族やボーイフレンドといった十代特有の悩みに加え、オーストラリアの上流階級にあこがれながら自分の民族的・階層的出自ゆえに、その仲間に入ることができないことへのいらだちというオーストラリア固有の問題がかたられていて興味深いが、92年とかなり古いためか、あるいはオーストラリアがいまでもそうなのか、移民への結構なレイシズム発言が飛び出すので外国で暮らしている人間としてはよんでいて暗澹とすることが多かった。特にオーストラリア人のボーイフレンドと喧嘩になったときに、ボーイフレンドが結構ひどいことをいうので、なんでこんなやつとつきあってるのか、全然気持ちが追えなかった。あと、主人公の上流階級へのあこがれはよく理解できなかったので、階級的悩みもピンとこなかった。

面白かった部分は、おばあちゃんとJosephineがだんだん仲良くなってきて、シチリア島から移民してきた第一世代の昔話をするところ。特に、イタリア文化を忘れないために毎年行われるトマト収穫やトマトソース作りと、Josephineがそれに対して全然興味持てないという対比が面白かった。

Tomato Day.

Oh God, if anyone found out about it I'd die. There we sat, last Saturday, in my grandmother's backyard, cutting the bad bits off over-ripe tomatoes and squeezing them.

After doing ten crates of those, we boiled them, squashed them, then boiled them again. That in turn made spaghetti sauce. We bottled it in beer bottles and stored it in Nonna's cellar.

I can't understand why we can't go to Franklin's and buy Leggo's or Paul Newman's special sauce. Nonna had heart failure at this suggestion and looked at Mama.

'Where is the culture?' she asked in dismay. 'She's going to grow up, marry an Australian and her children will eat fish and chips.' (Chapter 19)

トマトデー。

 最悪だ。もしだれかにバレたら死んでしまう。先週の土曜日、おばあちゃんの裏庭に座って熟しすぎのトマトから傷んだ部分を切りとって後で、それを絞る。

かご10杯しぼったら、それを煮込んで、つぶして、また煮込む。そしたらスパゲッティ・ソースのできあがり。それをビール瓶に詰めて、ノンナ[おばあちゃん]のセラーに保管する。

わたしにはなんでスーパーに行って、LeggoとかPaul Newmanのできあいのソースを買わないのか全然わかんない。そう言ったら、ノンナは心臓発作をおこして、ママを見た。

「文化はどこへいったんだい?」ノンナは落ち込んだ声で言った。「この子は大きくなって、オーストラリア人と結婚するよ、そして孫たちはフィッシュ・アンド・チップスを食べるんだよ」

英語レベル的にはNonna (おばあちゃん)みたいに、ちょいちょいイタリア語がでてくるのと、wogみたいなオーストラリア特有の口語表現が出てくるのが少しわかりにくい。それを除くと、英語は普通に読めるレベル。

レビュー

  • おもしろさ: ☆☆★★★ (2/5)
  • 英語の読むやすさ: ☆☆☆★★ (3/5)

語彙

  • wog /wɒɡ/ (侮蔑表現)白人ではない人 (オーストラリア)南ヨーロッパからの移民
  • wedlock /ˈwed.lɒk/ 婚姻 born out of wedlockで私生児
  • estrange /ɪˈstreɪndʒ/ 引き離す / Josie and her mother have been estranged from the family for years
  • elope /iˈləʊp/ 駈け落ちする
  • bellow /ˈbel.əʊ/ ほえる, どなる
  • rapt/ræpt/ 熱中する, 夢中である
  • splurge /splɜːdʒ/ 散財
  • proxy marridge 代理人結婚(結婚の場に片方ないし両方の本人が参加しせずに行われる結婚)
  • mumps /mʌmps/ おたふくかぜ
  • pensive /ˈpen.sɪv/ 憂いに沈んだ、もの悲しげな

使えそうな表現

  • as the day go by

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